すさんじまった悲しみに [ ☆[チチ]思ったことあれこれ]
「これを見たら『結婚式っていいな』
って思ってもらえる映像を流します」
某結婚情報誌主催の研修。最後はDVDで締めくくられた。
本物のカップルのドキュメンタリー。
感動的な結婚式。
見ていたみんなが泣いた。
ワタシ以外。
映像は、カップルが写真の前撮り(披露宴前に写真を撮ること)に
行くところから始まる。
優しそうな22歳の新郎、笑顔がステキな24歳の新婦。
新婦はどうしても着たいドレスがあった。
お母さんが披露宴で着たドレス。
ちょっとレトロなデザインで、当日には着れないけれど
前撮りをして、写真を親にプレゼントするという。
…いいなぁ、ステキな話。
そう思いながら見ていたところに、ナレーション。
「彼女のお母さんは、彼女が小学校5年生の時
がんで亡くなった。」
その瞬間、「泣けない」スイッチが入ってしまった。
何でこの人たちを選んだんだろう。
お母さんが亡くなってるから、泣ける要素が他のカップルより多いってこと…?
泣ける=いい結婚式、ってこと?
人の「死」を"戦略"として使ってるんじゃん。
そんな風に思って、全然泣けない自分。
映像から伝わってくる家族愛。
男手ひとつで4人の子供を育てたお父さん。
長女として、小さい頃からお母さんがわりをしてきた新婦。
本当にステキな家族だった。
お客様だったり、自分の友達だったら間違いなく号泣だ。
だけど…
この映像で「結婚式っていいね!」って単純に思えない。
自分が病気になって、たくさんの闘病記を読んできた。
その中には残念ながら亡くなってしまった方もいる。
お子さんたちを残していってしまった方も多い。
我が子の結婚式を見たいと思わない親なんているんだろうか。
きっと彼女のお母さんだって同じだったと思うんだ。
DVDの最後は「HAPPY!HAPPY!HAPPY!wedding」。
このご家族にとって、ほんとにHAPPY!なのは
お母さんと一緒に迎える結婚式だったんじゃないかな…
言ってもしょうがないことだけど。
この人たちには幸せでいてもらいたいなぁって心から思う。
だけど
「お母さんいないのよー!泣けるでしょー!いい結婚式でしょー!」
みたいな"戦略"的なものにはむしょうに腹が立つんだ。
化粧が落ちるほど号泣している同僚を見て
すさんじまった悲しみを抱きしめるワタシなのであった。
JOHNさんのお気持ちわかりますー。
これは最近TVを見ていてもよく感じますね・・・。
なんというか、人の注目を集めるために「病気」を利用しているような
ものが多くて、とても嫌な気持ちになります。
前にもある番組で、「末期がんを乗り越えた」みたいな人が出てきた
んですけど、がん患者が見れば絶対「末期」じゃないだろう・・・という
ことがわかるようなことがあって、製作者の感性を疑いましたよ~。
元々病気を題材にして涙を誘うお話はあまり好きではないです。
安直過ぎやしませんか!?
ホント、人の死を何だと思ってるんじゃー!と思いますよね。
仕事の研修ですらそんなことがあるんですねー。
闘病中の家族を持つ人も結構いるのではないかな?と
思いますよね(^^;)
by Kottsu (2010-04-23 11:56)
そういう客観視が出来るのも当事者ならではですよね。
そうでない人が作ったからこうなるわけでしょう。
スポーツでもオリンピックで金メダルを獲ったアスリートを採り上げる際も
良く使う手だと思います。
わかりやすいですからね。
「余命1ヶ月の~」もドキュメンタリーは泣けました。
夫と友人、結婚式場の対応に。
だけど、一方で客観視してしまう部分もあります。
治療方法についての適切な解説がなかったから。
つまり、情報番組として観てはいけないわけで、泣けるエンタメとして
観なくてはいけないってことでしょう。
TV、映画と言う商業メディアの性格上、なかなか難しいでしょうね。
by 浜松自宅カフェ (2010-04-23 17:10)
途中からすっかりお父さん目線になった私でした。
by あゆゆ (2010-04-23 17:54)
それが資本主義の世の中ってもんかと。
良くも悪くも、人の死というものは人の心に深く突き刺さります。それを商業的に扱うのもまた、功罪相分かれるところでしょう。
今JOHNさんが「ムカツク」ならば、それはJOHNさんの正直な思いですから別に隠す必要もなく「私はちょっとこれは、、、」と引き加減でいいと思いますよ。
by Tad (2010-04-23 19:47)
JOHNさんの気持ち、分かります。
>泣ける=いい結婚式
そういう図式は私も苦手。
分かりやすいところでは、両親への花束贈呈&お手紙朗読が超超苦手です。
出席していても、逃げてしまいたいくらい。
だから、今回のDVDは脱走させて下さい。
by 柴犬陸 (2010-04-23 22:58)
同感です。
もしかしたら、JOHNさんのこのエントリーを読む前に同じ映像を見たら、
僕も号泣していたかもしれません。
ただ、読み終えたいまは、全く同じ思いです。
この業界だからこそ、「本当の意味での幸せな結婚式とは何か?」について
しっかり考えたいと思いました!
by ぺえ (2010-04-23 23:50)
私も回りの人達に「頑張ってね」って言われます。
見た目で判断される・・・
頑張る?何を?私だって頑張って生きてます!!
他の言い方ないわけ?って顔では「はい」って言っておいて
心の中では あっかんべー です!!
by 貴ちゃん (2010-04-23 23:58)
あまりにベタなお涙頂戴ストーリー、鼻白みます。小学生の子を持つ身としては辛いし…。病気になって小説や映画を楽しめなくなりました、あざといのが多くて。余裕ないな。
by 楽子 (2010-04-24 18:26)
人はそれぞれその時その感情でいいと思います。
私も日々感じ方は変化しております。
by あうりん (2010-04-25 09:06)
深い、深すぎる…
でもすっごくよく分かります。。。
by まえだ (2010-04-27 08:53)
琴線に触れて涙が止まらないことや、逆に冷めてしまうこと
人それぞれですからねぇ。
どんなにいい話でも、制作者サイドのあざとい思惑が見えてしまうと
一気に冷めることは多いですね。
良い結婚式かどうかは、参加者がそれぞれの意識で決めるものですから
手伝う側は意をくみ取って出来ることをする・・・ですよね、きっと。
by moonrabbit (2010-04-27 22:08)
お返事遅くなってスミマセン!!
♪Kottsuさん
なんかねぇ…(苦笑)
最初に「これを見たら結婚式っていいね、って思う」と
言われたことがひっかかって、余計に醒めちゃって。
でも、自分が病気じゃなければ素直に見れたのかなー…
良くも悪くも"ドラマチック"なんですけどね。
それを利用している感がなんだかすごくイヤだった。うん。
♪浜自カフェさん
「余命1ヶ月~」は、泣きました。
"自分のようになってほしくないから取材を受ける"
っていう心意気にまず感動しました…結婚式を仕事とする立場で
同じようにできるか?ってことにも。
テレビで見たならこんな気持ちにならなかったと思います。
むしろ感動したと思います。ほんとにいい結婚式だったんです!!
今回見たのは誰向けに作成した映像なのかわからないんですが、
天下の"◎ク◎ー◎"(伏せすぎ?笑)がこれかよ!って感じでした。
♪あゆゆタン
うん、あの家族が過ごしてきたであろう日々を思うとぐっとくるよね。
ワタシは弟クンのスピーチが心に残ってるわぁ。
幸せになってもらいたいよね。
by JOHN (2010-04-28 15:35)
♪Tadセンセイ
うん。そうなんですよね。
どんな形であれ、別れはドラマになるものです。
もっと素直に見ればいいのに…と思う自分もいます。
素直に見られない自分がちょっと悲しいなぁと。
♪柴犬陸さん
ワタシは仕事柄、花束贈呈&お手紙朗読推進派です(笑)
泣かせるためじゃなくて「普段言えない感謝の気持ちを伝えたら?」と
思うからなんですけどね。
でも、苦手!な気持ちも良くわかります。
自分の結婚式で「手紙はイヤ」と言い切ったワタシですから。アハハ。
♪ぺえさん
見たら、きっと感動しますよー。
本当にステキな家族でステキな披露宴でした。
素直に感動できる人はいい仕事できると思うんですよ。
でも…「これ見たら『披露宴っていいね』って思う」とか言われると
ワタシ的には疑問符で。
泣かせればいい披露宴って思うと思ってるの?
研修してたってちっとも現場わかってねーし!と(笑)
by JOHN (2010-04-28 16:08)
♪貴ちゃん
ワタシ、打合せの時だったか…よっしーに言われました。
「貴ちゃんは自分でできるんで」って。忘れられない一言です。
ワタシも見た目で判断してたところがあったんだと思います。
今自分が病気になってみて、「頑張って」って言葉は時に
人を傷つけるんだってことをしみじみ感じてます。
言葉って難しいね…
♪楽子さん
はじめまして^^コメントありがとうございます。
>余裕ないな。
そうなんですよね。ワタシも、同じです。
過剰反応してると思うんですけど…あざとさが目についちゃいます。
♪あうりんちゃん
みんなに押し付ける気はないんですよー。
研修に使うのがこれなの?っていう…
研修じゃなかったら、もっと素直に見られたような気がします。
by JOHN (2010-04-28 16:20)
♪まえださん
まえださんならどこが研修していたかおわかりでしょう(笑)
研修側が「泣ける=いい結婚式」って考えてるのね、って見えて
しまって、すっかり醒めてしまいました。
♪moonrabbitさん
結婚式って、新郎新婦の生きてきた道がそのまま出ちゃうもので。
だからこそ感動するのですが。
ワタシたちはほんと、できることをするだけ…。
今回の醒めっぷりは自分でも驚くほどでした。
「あー、泣かせる気満々ね」みたいな(笑)
♪meiさん
takumiさん
nice!ありがとうございます^^
by JOHN (2010-04-28 16:33)
ほんと、余りにも哀しいストーリーは研修用には不向きですよね。。
同時期に闘病を共にし、心の支えだったがん友に19才と20才の娘さんがいて、
ある日強い口調で「しっかり生きていきなさい。」と諭してる姿が未だに脳裏をかすめます。。
by kimiko (2010-04-29 07:09)