『辛+一=幸(しんたすいちはこう) ~その手に幸せの羽根が舞い降りる~』 [ラヴ(ヒト)]
お客様からお手紙をいただいた。
3年前の3月27日に担当させていただいた、ご新婦。
「実は2月1日に私の作品が書籍化され、
全国出版をされました。」
何~!?作品?書籍?出版?
「よろしかったら読んでみてください」
もちろん、読みます!読みますとも!
会社と自宅近くの大きな書店で探すも
残念ながら在庫が切れている状態。
即ネットで注文して。今日、やっと手元に届いた。
彼女の今までの人生についてのノンフィクション。
読み終えて、涙がとまらなくなった。
***
打合せの時の彼女は、背筋がピッと伸びた「凛」としたイメージ。
いつも微笑みを絶やさない、きちんとした方。
ハキハキと切れ味の良い話し方。
言葉遣いも丁寧でありながら親しみやすい。
こちらがお願いしたことは期日以前にビックリするほどの完成度で仕上げてくる。
「仕事ができる人」ってこういう人の事を言うんだろうなぁと感じていた。
お相手の彼は、とても穏やかで優しい人。
陸上競技でかなり良い成績を持っていると聞いてビックリ。
「競争(競走?)」イメージの全くない、「みんなで一緒に走ろうよ!」タイプ。
職業は、学校の先生。
きっと人気があるに違いない。
陸上部の先輩後輩として出会った二人(彼が先輩)。
おっとり彼としっかり彼女。
いい組み合わせだなと思っていた。
ある日。
打合せの途中だったか、それとも相談が、と来てくれたのか…
彼は来ていなくて、彼女とふたりで話をする機会があった。
突然、真顔になった彼女が言った。
「JOHNさん、実は私、パニック障害なんです。
結婚することも、結婚式をすることも、
ホントは不安で不安でしょうがないんです。
当日、パニックになったらどうしようって…」
不安な気持ち、薬のこと、今までのこと、親御さんのこと…
涙をポロポロこぼしながら話す彼女は、
今までのイメージとは180度違う
小さな小さな女の子のようだった。
パニック障害とは何なのか、その時のワタシは知らなかった。
自分が何を言ったのか、よく覚えていない。
気の利いたことなんて何も思いつかなくて、
ただ「大丈夫ですよ」って言い続けていた気がする。
彼は、そんな彼女を全部知っていて、結婚を決めた。
だから、きっと大丈夫。
じゃなければ、彼女がここまで踏み切れたわけがない。
でも、ワタシに一体何ができるんだろう…答えが出ない。
それでも腫れ物に触るような対応をするのはイヤで
話を聞いてからも変わらずに接しよう、とだけ決めた。
当日、彼女の一番近くにいる介添えにはベテランスタッフをつけた。
大丈夫だと思うけど、と前置きをして彼女のことを伝えた。
できる限り、会場にも足を運んだ。
それしかできなかった。
いつもと変わらない、凛とした彼女。笑顔がキレイ。
彼もそんな彼女を見て、穏やかに笑っている。
滞りなく挙式は済み、披露宴も無事にお開きとなった。
…結婚式から、3年が経つ。
***
本を読んで初めて知ったことがたくさんある。
結婚前後には、彼女の不安や心配はピークだったようだ。
何もできず、披露宴が無事に開いたことにホッとしていたワタシは
のー天気としか言いようがない。
でも…
「結婚して、本当に良かったです。」
「2人ならどんな事も乗り越えていける、といつも思っています。」
彼女の手紙にあった言葉。
「結婚して良かった」って
胸を張って言えるようになった彼女と
大きな愛で見守っている彼に心から拍手を贈りたい。
ふたりの人生にほんの少しでも関われたことが嬉しい。
今では「小さなことも幸せと感じられる」彼女のように
周りに感謝する気持ちを忘れずに、ワタシも頑張っていこう。
彼女からもらった「幸せの羽根」を心に。
良かったら、皆さんも読んでみてくださいね。
珍しく、連日更新ですね!(わはは)パソ直ったの?
幸せと辛いは紙一重ってことですね!確かにそうかも・・・
辛いと思った時は幸せになれるよう、イチを探します。
by 浜松自宅カフェ (2007-04-05 20:33)
パニック障害は昨年うめぼうさんのところで読ませて頂き、
http://blog.so-net.ne.jp/umebou/archive/c35366963
身近にも似た症状の人がいたりして、全く知らなかったわけではありませんが、やはりその思いは一部しか理解出来ない自分であると思います。
立ち直った内容は、多くの人が希望を持てる事でしょうね。
支えている旦那さんもエライ!ヾ(≧▽≦)ノ
by moonrabbit (2007-04-05 20:37)
僕も心のバランスを崩してしまった同僚が何人かいましたが、自分には何も出来なかったし、どこかで遠い世界のように思っていました。
今、自分の身の回りでそういった方がいたら何が出来るのだろう・・・、何も出来ないのかな、そう思うと、自分の力のなさがちょっと悲しくなります。それでも出来る事を探して、そっとそばで力になれるように準備だけはしておきたいと思います。
by (2007-04-06 00:47)
友達もパニック障害で苦しんでいて詳しく聞いたことが
あります。でも友達なのに何もできず・・。つらい病気です
よね。不安のピークで迎えた結婚式で発作がでなかった事は
花嫁さんの大きな自信になったことでしょう(´∇`)
ステキなタイトルの本ですね。
by ぷぅちん (2007-04-06 02:34)
パニック障害のことは全然疎いのですが、ウチの学生たちはパソコンソフト(英語版)から警告文や確認文が出るたびにパニック起こしてます(ため息)。
お客さんからのこういう手紙、ホントにすばらしい感動ですね。今の幸せがずっと続くように、赤の他人の私も願ってます(汗)
by (2007-04-06 18:17)
まさに接客業の醍醐味ですよね!
思いがけない出会いと、人生の大事な節目に立ち会う
お仕事だからこそお客様との信頼も強いものが必要であり、
また生まれてくる…
にしても、やっぱスポーツマンはもてるのか…I'm feeling envy. w
by ひろ茶 (2007-04-06 20:20)
私はそのお客様を存じ上げませんが
ひどく読んでみたい。
ドッツに借りてる『東京タワー』読み終わりましたので
コチラもどうぞ~。
by あゆゆ (2007-04-06 22:38)
作者の三木さんからもメールをいただきました!
「毎日を精一杯頑張ります」と力強いメールでした♡
♪浜自カフェさん
珍しく連日更新!そして、コメント放置…スミマセン^^;
ワタシも「一」を探します。
今の状況で、どんな「一」があるのやら。ガンバロ。
♪ラビさん
うめぼうさんの記事、拝見いたしました。
大変なんだ…と改めて感じました。
紹介してくださってありがとうございました。
ほんとにステキなふたりです。運命の出会い♡
♪eddieさん
この本を読んだ今でも、自分には何もできないんだろうと思います。
あなたはあなたのままで大丈夫、
と受け止められる懐の広さを持ちたいものです。
♪ぷぅちんさん
自分の周りには全然いなくて、どこか遠い世界?のことと
思っていたのです。
でも、誰でも風邪を引くように、
心も風邪を引くことがあるんだと最近理解できるようになりました。
それでも、何もできないのですが…(T_T)
♪Tadさん
あはは!それはワタシもパニックになります。
どーしてっ!?何???って。(笑)
彼女はきっと大丈夫です。何があっても乗り越えられると信じてます。
♪ひろ茶さん
このシゴトじゃなければ、出会ってないですね。
人と関わるシゴトがすきな理由がこのへんにあります。
スポーツマンはもてる!
確かにそうですなー。
ステキ♡と思う新郎さんはたいてい何かスポーツやってらっしゃいます。
♪あゆゆタン
読んでみてー。
♪Fountain☆さん
nobuさん
nice!ありがとうございます!
by JOHN (2007-04-10 09:28)
読んでみたいです。色々な心の形を、知っている人は本当に
優しいんですよね・・・。
by 優子 (2007-04-12 21:03)
♪優子さん
そうですね。
きっとワタシには一生わからないことも
彼女は経験しているのだから。
優しさと強さを兼ね備えたすっごい人です。
by JOHN (2007-04-12 23:26)
♪鬼胡桃さん
nyanさん
nice!ありがとうございます♡
by JOHN (2007-04-12 23:27)
ホントの自分ってどんなだろう・・・って考えると、時々分からなくなるけど、全て自分だと思っています。接する人によって変わっちゃうのは仕方ないことだし、自分が無理してると感じてない限り居心地は良いから、きっとホントの自分。「みんなで居るときと、そうでないときと変わる?」って聞かれるけど、それはYES。でも偽ってるわけじゃなくて・・・時々飾ってることもあるそんな感じ。ちょっとした歪みをため込んじゃうと辛くなるんだね!なんて上手く表現できないから安直な感想になっちゃうけど、旦那さんのように素敵な人になれたら・・・なんて純粋に思いました。素っ裸になれる旦那さんを見つけた奥様と、風呂上がりに素っ裸で踊れる旦那さんに再びNICEで。お幸せに!!
nobu@訳のわかないコメントを今更ですが・・・
by nobu (2007-07-12 01:08)
♪nobuさん
読んでくださったんですか?!ありがとうございます!
作者の彼女に代ってお礼を言わせていただきます。
本当の自分なんて、わかるようでわからないです。
どれも本当の自分なんですよね。本音の自分かどうかは別として。
ただ、どこにも本音を出せなくなるとつらいのだろうなぁと思います。
nobuさんも素っ裸で踊れるくらいの大きな人になってくださいね。
…これ、全然知らない人が読んだら、ただのヘンタイ?(笑)
by JOHN (2007-07-13 01:00)